阪神は最後に見せ場は作ったが力尽きた。今季の対巨人は18勝6敗1分けで終了。CSファイナルステージで、広島、DeNA、巨人のいずれかと戦う。

桧山 8回終了時点で0対5でも席を立つ観客は少なかった。最終回に代打ミエセス、大山、佐藤輝のクリーンアップが打って喜ばせることができたから良かった。ただこれからのCSを考えると、1つのプレーでゲームの流れが変わってしまう典型的なパターンだった。

5回。坂本の中前打で1死一塁の場面で、青柳が2度バントを失敗し、2ストライクからバスターに切り替わって空振り三振。直後の6回のマウンドに上がった青柳は、丸に左前打で先制されると、代打大城卓に満塁本塁打を浴びた。

桧山 1-2からの5球目を打たれた丸にはうまくついていかれた。続く秋広には四球で満塁から、代打で初球を本塁打にした大城卓はさすがだった。青柳はせっかく5回まで低めのに集めた投球で踏ん張っていただけにもったいなかった。それまでの好投が、たった1球で水の泡になった。5回に自らのバント失敗で流れが変わった。短期決戦ではいかにミスを抑えるかは勝つための条件といえる。これからCSに向けて「大丈夫か?」と不安を残した青柳らしくないピッチングだった。

阪神がCSファイナルステージを戦うまで約1カ月の期間がある。

桧山 CSファーストステージを勝ち抜いてくるチームには勢いがつく。なかでもDeNAの存在はいやな感じだ。個々が体調管理も含めてメリハリをつけてしっかりと調整したい。

【取材・構成 寺尾博和編集委員】