楽天-オリックス(楽天モバイル)は28日、8回に楽天が一挙5得点を挙げる集中打で逆転勝ちした。日刊スポーツ評論家の佐々木主浩氏(55)は、オリックスで2番手で登板した2年目の右腕、小木田敦也投手(24)に注目。セットアッパー山崎颯一郎投手が離脱する中、CS、日本シリーズと続くプレーオフのキーマンになり得る存在と絶賛した。
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オリックスの2番手で登板した小木田の投球には、目を見張った。6回から登板し、打者6人から5三振を奪った。付け入る隙が全くなかった。オリックスはこれだけの本格派投手が、今年もまた出てきたのかと感心した。真っすぐが150キロを超えているだけでなく、フォークボールもカットボールも実に切れがいい。コントロールも抜群とくれば、安心して見ていられた。
社会人(TDK)からドラフト7位で入った2年目右腕というが、とても下位指名の投手とは思えなかった。オリックスのスカウト陣の眼力には感服だ。セットアッパーの山崎颯が故障し、CSや日本シリーズに向けてリリーフ陣の整備が課題となる。昨年は宇田川が一気にブレークしてWBC日本代表入りまでつかんだが、球団として投手育成の巧みさも感じる。勢いのある小木田のような投手と、クローザー平野佳の経験と合わせれば、山崎颯の穴を埋めることも十分可能だろう。
CSへ向けて負けられない楽天は、打線に集中力があった。一挙5得点で逆転した8回は、先頭の小郷が右前打で出塁。次打者の島内は、1球もバットを振らない四球で4番浅村につないだ。これが効果的で、じわじわと攻め立て、浅村と岡島の連打を引き出した。島内は相手投手の阿部が苦しいところで、ボール球に手を出さない。一方、浅村は2球で追い込まれたが、直球もスプリットも両方ケアしながら、ファウルで粘った挙げ句に左前打を放った。岡島は初球を狙い打ちで同点打。しつこさと思い切りで、三者三様の攻め手を見せた。
2位から4位までが0・5ゲーム差ずつ。今後も集中力が試される。(日刊スポーツ評論家)