阪神元監督で日刊スポーツ評論家の真弓明信氏(70)が2日、沖縄・宜野座の春季キャンプをチェックした。さらなる飛躍が期待されている佐藤輝明内野手(24)の打撃に注目。ブルペンで投球を見た新戦力ハビー・ゲラ投手(28)についても言及した。

   ◇   ◇   ◇

打者で注目したのは、佐藤輝だ。いい方向に変わっており、今年は期待していい。オフに米国でいろいろ打撃フォームを研究してきたみたいで、形も変わっているというのもあるが、ヒットゾーンの幅の広がりを感じた。打撃投手の球といえども、打つポイントが多少ズレることがある。それでもしっかりとボールに力をこめて、スイングできている。力みがなく、体を柔らかく使えているからだ。

実戦に入れば、相手投手も崩しにかかってくるが、これを継続できれば、タイミングを外されてもついていける。昨年よりもホームランやヒットの数は増えるだろう。岡田監督が特に意識させているのは、守備。特守も毎日やらせるつもりでいるだろうし、守備がうまくなれば、下半身も強くなるし、使い方もうまくなる。打撃にいい影響を与えるだろう。順調にいけば、40発打てるバッターなだけに、楽しみだ。

新戦力のゲラの投球をブルペンで見たが、欠点がありそうなタイプではない。そんなに力を入れている感じではなくても、147キロぐらい出ていたということだから、本調子になれば、160キロ近くは投げるんじゃないか。きれいな投球フォームは打者からすれば、打ちやすいが、今後、どれだけキレが出るか。また甘いコースに投げても、打たれないボールが1つでもあればいいので、それを本人が探していくことになる。米国では通用しなくても、日本では武器となる球種があるかもしれない。それが見つかれば、抑えとしても通用する。

今年は戦力的に見ても、連覇は間違いないと思っているが、キャンプ初日からチェックして、余計にそう思った。大山、近本、中野のレギュラー組は順調にスタートを切った。岡田監督は「頑張りすぎずに」と手綱を引きつつ、佐藤輝の三塁守備練習に渡辺をつけたり、自然に力が入る環境をつくっている。いい雰囲気でやれている。