西武のキャンプは非常に活気があった。全体練習でも声が出ているし、打者のスイングの強さ、スピード、インパクトの音など、仕上げてきた印象を受けた。他球団と違い、この日が初日だったが、そういう感じはしない。選手は通常2日目ぐらいまでは探り、探りで動くものだが、個々がオフの間も自分の課題に向き合ったから、初日からしっかり動けるのだろう。

2月1日キャンプインが球界の定番の中、2年続けて5日遅いスタート。松井監督に聞いたら、遅らせることで選手は1月いっぱい、自主トレに集中できるメリットを挙げた。2月1日キャンプインだと、1月末は準備に追われるからだ。

西武のキャンプのもう1つの特色に、実戦が遅いことがある。日本ハムが3日に紅白戦を行ったように、早めに実戦をやる今の風潮とは正反対だ。全体練習の後の個人メニューもみっちり入っている。とにかく練習を積んで下地をつくり、次の段階に入るという考え。昔ながらのキャンプという感じだ。どちらがいい、悪いというものではない。松井監督は、ぶれずに自分の考えに基づいてやればいいと思う。

他と異なる方法をとると、あれこれ言われがちではある。逆に結果を出せば、何も言われなくなる。私の現役時、中日落合監督は就任1年目の04年にキャンプで6勤1休を導入し、さらに初日に紅白戦を行った。前年の11月に計画を聞いたときは正直「うそでしょう」と思った。だが、そう言われた以上、オフに準備を続けた。また、6勤1休はシーズンの日程に2月から体を慣らすためという意図を聞かされ、納得できた。その年に中日は優勝した。

キャンプの進め方には、監督の意図がいろいろと込められている。大切なのは、選手が理解できているか。その点、キャンプ初日の動きを見ると、西武の選手には十分に伝わっていると感じた。(日刊スポーツ評論家)