阪神が先発野手全員安打の2ケタ安打と打線が爆発し、3連勝とした。これで9、10日のヤクルト2連戦(甲子園)で連勝して以来、4カードぶりのカード勝ち越しとなった。広島3連覇監督で日刊スポーツ評論家の緒方孝市氏(55)は攻撃面での「変化」をポイントに挙げた。
◇ ◇ ◇
阪神は序盤からいい形で得点できた。攻撃面において、複数の「変化」を感じた。まず初回の岡田監督の采配だ。前日26日に続き、近本が出塁した後に中野に送りバントを命じ、得点圏に走者を進めた。
昨年は好調の1、2番に対し、試合序盤はノーサインの中で走らせたり、打たせたりすることで一、三塁の形を作ることができた。序盤、特に初回の送りバントはほとんどなかったはずだ。それが今年はなかなか得点できず、機動力も生かせなかった。岡田監督はベンチ主導で序盤から点を取りにいく。バント策を用い、より確率高く、少ないチャンスをものにして流れをつくる。そんな考えに変わったのではないか。
また打線全体でのボールの見極めという点でも昨年の姿勢を取り戻しつつある。特に近本、中野は状態が上がり、ボール球に手を出していない。昨年のような嫌らしい攻撃が見られ、中軸以降の打者にもいい影響を与えている。3回2死満塁で前川は打ち気にはやらず、初球の低め変化球をきっちり見逃した。2球目の高めに浮いた直球を振り切り、左翼線に落とした。相手投手を助けない粘りのある攻撃がビッグイニングにつながった。
5回の大山のタイムリーにも変化を感じた。岡田監督の野球観もあると思うが、阪神打線は得点圏でも3ボールから打ちにいくことはあまりない。それが大山はカウント3-0から甘い球をとらえた。2軍調整もあったが、勝負の時期に向けて、吹っ切れたような、前向きな気持ちの表れと思う。球宴明けの2試合はいいスタートを切った。各打者が自分の役割を果たし、つながりを取り戻せば、勝ち星が先行し、貯金も増えていくはずだ。(日刊スポーツ評論家)




