甲子園100周年だった前回、巨人に3タテを食らわした阪神が、敵地で惜敗した。39年前の1985年8月12日は、日航ジャンボ機墜落事故に巻き込まれた阪神・中埜肇球団社長が亡くなった日だった。

吉田 当時監督だった私にとっては、一生忘れることのできない「特別な日」でした。同じ長期ロードで、あれから6連敗したチームは3位に転落したが、そこから息を吹き返すんです。そして結果的にリーグ優勝し、日本一に上り詰めるんですわ。いろんな思いでこの夜の巨人戦を見ていたが、これからは目の前の一戦を必死で取りにいくことです。それに尽きるんと違いますか。

巨人山崎伊を攻略できなかった打線だが、1回の「1点」が重くのしかかった。丸の中前打と犠打で2死二塁。岡本和の三塁線のゴロを好捕した佐藤輝の一塁送球がそれた(記録は失策)。丸がホームインした。

吉田 あれってエラーなんですか? 佐藤輝は難しいゴロをよく止めましたよ。また一塁への送球にしても、確かにそれはしたが、大山の力量からいけば、そんなに難しいとは思わなかった。わたしもスコアブックをつけながら「ヒット」か「エラー」か迷った。でも1点が入ったからエラーなんですかね。記録員がいうなら仕方がない。エラーですわ。でも佐藤輝は“受け身”のプレーが目立ちますね。本当のプロの練習をしてないんでしょう。磨けば光る逸材なのにもったいない。私もはがゆいです。

巨人山崎伊は7回途中まで23人の打者に対し、8人までが3ボールになる投球だった。それでも凡打が続いた阪神は、得点機が8回の1度きりだった。

吉田 広島、巨人とは直接対決を残しています。打のヒーローが出てきてほしいですね。

【取材・構成 寺尾博和】