巨人は試合がなかったが、ここにきて2位広島が4連敗で失速気味だ。一方の阪神は4連勝で追い上げを見せ続ける。

真弓明信(日刊スポーツ評論家) 巨人、広島には上位にいる難しさで、負けられないというプレッシャーがある。阪神の場合は勝ち続けること、ひたすら追い上げていくしかない。現時点でもっとも精神的に思い切って戦うことができるのは阪神だろう。その勢いは先取点をとったシーンからも見てとれた。単に打って得点したわけではない。“足”を生かしたことが、チームにリズムを生んだ。

1回1死、2番中野の左中間への当たりを、ヤクルトの左翼手サンタナが捕球できなかった(記録は二塁打)。続く森下の二遊間への打球は、二塁手・武岡のグラブをはじいてセンター前に転がった。中堅手・西川がホームに送球したが、これを一塁手オスナがカットし、打った森下が狙った二塁に送球するもセーフ。この間に二塁走者・中野はホームを陥れた。

真弓 森下のセンターに転がった当たりは、二塁走者の中野がホームインできるかどうか微妙なタイミングだった。中野のスタートも若干遅れている。ここで打者走者の森下は、“オトリ”になるかのように二塁を突いた。西川からの送球がダイレクトだったらわからなかったが、これをオスナがカットして二塁に投げた。つまり森下の走塁が中野のホームインをアシストしたといえる。三塁コーチもよく回した。その裏、同点に追いつかれたが、チームの勢いを感じさせた。

阪神の対中日からの4連勝は、すべて先発に勝ちがついた。残りは18試合になった。

真弓 チャンスが出てきた。今の集中力を持続したい。そして、思い切ったプレーでミスをするのは仕方がないが、ちょっとした気の抜けたようなプレーをしないこと。この勢いでもって、一気にひっくり返して首位に躍り出るぐらいの姿勢でいけばいい。

【取材・構成=寺尾博和】

ヤクルト対阪神 3回表阪神1死、右翼線に二塁打を放ち出塁する森下(撮影・河田真司)
ヤクルト対阪神 3回表阪神1死、右翼線に二塁打を放ち出塁する森下(撮影・河田真司)
ヤクルト対阪神 5回表阪神無死二塁、佐藤輝の適時打で生還する大山(撮影・江口和貴)
ヤクルト対阪神 5回表阪神無死二塁、佐藤輝の適時打で生還する大山(撮影・江口和貴)
ヤクルト対阪神 8回裏ヤクルト2死三塁、遊ゴロとなった村上の一塁アウトの判定で、リプレー検証で変わらず、ベンチで拍手する岡田監督(撮影・江口和貴)
ヤクルト対阪神 8回裏ヤクルト2死三塁、遊ゴロとなった村上の一塁アウトの判定で、リプレー検証で変わらず、ベンチで拍手する岡田監督(撮影・江口和貴)