現役時代は阪神一筋22年、4番や代打の神様で活躍した日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏(55)が試合をチェック。

勝負の明暗を分けた場面に先発高橋遥人投手(28)が0-0の7回、岡本和に左翼線に運ばれた“痛恨の1球”を挙げました。この日の敗戦で逆転優勝は厳しくなりましたが、1点を追う9回2死一塁、アウトなら試合終了の場面で植田海内野手(28)が間一髪決めた二盗を高評価。敗れても見せた前のめりな姿に希望を見いだしました。【聞き手=松井清員】


最後まで手に汗握る、本当に良い試合でした。でもタイガースは良い試合ではダメなんです。逆転優勝するために何としても勝たないといけない試合でした。

明暗を分けたのは0-0で迎えた7回無死一塁、高橋が投じた岡本和への1球だったと思います。初球ツーシームのファウルに続き、2球目は内角いっぱいを突く真っすぐで見逃しを取りました。でも続く3球目、同じく内を突いた真っすぐを左翼線に運ばれました。その球も厳しい球です。でも直前の2球目があまりにも厳しかったので、ボール半個分ほど内に入った分、打者は甘く感じてしまいます。2ナッシングだったのでボール球でもよかったし、悔いが残る1球です。

無死一、三塁にされたら1点はやむなしです。しかも巨人は、前日再三の好機で凡退して交代した坂本を代打で送ってきた。阿部監督の坂本に対する思い、バットを短く持って苦しみながら意地のヒットで応えた坂本。流れが絶好の形で巨人にいってしまいました。

攻撃もあと1本出ていればでしたが、攻めの姿勢は貫きました。目を見張ったのは9回2死一塁、代走植田が二盗を決めた場面です。これだけの大一番で、アウトなら即試合終了です。しかも捕手は強肩の岸田。出たサインに重圧は相当だったと思いますが、この瞬間のために準備してきたからこそセーフになれた。高橋も攻め続けて負けた7回途中1失点で、高橋の4連勝があってチームはこの位置にいます。敗れても最前のめりだった姿は、残り5試合の戦い方の手本です。

連覇の望みが断たれたわけではありません。巨人も残り6試合中、3位を争うDeNA戦と広島戦が4試合あり、簡単には勝てないはず。阪神が試合のない25日からのDeNA2連戦で連敗すれば再び1差です。今日の結果を受け止めた上で前向きに。勝ち続けて巨人に重圧をかけて、あとは野球の神様に任せましょう。(日刊スポーツ評論家)

阪神対巨人 9回裏阪神2死一塁、代走植田は打者木浪のとき二盗を決める。野手門脇(撮影・加藤哉)
阪神対巨人 9回裏阪神2死一塁、代走植田は打者木浪のとき二盗を決める。野手門脇(撮影・加藤哉)