那覇の巨人キャンプを訪問した。田中将大を見たかった。近鉄時代から旧知の久保康生巡回投手コーチがつきっきりでフォーム修正に励んでいると聞いていた。

初めてのシート打撃。当初は21日ごろの予定だったが、天候と本人の状態を見て大幅に早めたという。相当、順調なのだろう。キャッチボールから注目した。聞いていた通り、右膝をあまり折らず、腕を高い位置から縦に振り下ろすことを強く意識していた。久保コーチはリリース位置が30センチ近く高くなっているはず、と言っていた。

シート打撃は球団のご厚意で捕手の後ろから見せてもらった。本人は打者が立って力んだと言っていたようだが、そう見えなかった。阿部監督も久保コーチも「冷静に投げていた」と評していた。最速は142~143キロ。これなら、シーズン中は145~146キロは期待できる。上から縦に振るから角度がつき、フォークもよく落ちていた。近年は少し「潜る」ような投げ方だったけど、今は違う。気持ち的にも、上から見下ろすような感覚になっているのではないか。

投げ終わってすぐにマー君と話せた。「出力が上がらなかった」と少し不満げだった。ただフォームやボールを見ると、着実に前に進んでいるし、しっかりコーチらと話し合いながら、いい方向に向かっている。取り組んでいることは必ず今後の実になるはず。肩も体も悪いところがない。表情や口ぶりから、何とか復活を…とジワジワくるものと手応えを感じ取れた。

阿部監督、久保コーチとも「ボールを操れる」「制球がいい」と評価していた。精神的支柱な部分も含めて、ほかの投手にも絶対プラスになる存在だ。あとは起用法。救援をつぎ込みやすい日曜日や、いわゆる「投げ抹消」で常にフレッシュな状態で投げさせるパターンが考えられる。いずれにしろ、先発の6人に十分入ってくると思う。

この日は戸郷ら主力投手がそろって登板した。評判のブルペンだけでなく、菅野が抜けた先発陣も相当に強力とみた。強い日差しで顔の皮がめくれてしまったが、それくらい見応えがあるシート打撃だった。

土日に阪神を見てから、平日の巨人に移ったが、阪神以上に活気を感じた。平日でもお客さんが多く、1プレーごとに盛り上がる。そんなところにも王者巨人の充実を感じた。(日刊スポーツ評論家)

ライブBPを終えた巨人田中将(左)と言葉を交わす梨田昌孝氏(撮影・横山健太)
ライブBPを終えた巨人田中将(左)と言葉を交わす梨田昌孝氏(撮影・横山健太)
ライブBP中に言葉を交わす巨人阿部監督(左)、久保巡回投手コーチ(中央)、梨田氏(撮影・垰建太)
ライブBP中に言葉を交わす巨人阿部監督(左)、久保巡回投手コーチ(中央)、梨田氏(撮影・垰建太)