阪神が今季2度目の完封負けを喫し、4連勝を逃した。開幕から10試合で4本塁打、8打点をマークしている佐藤輝明内野手(26)が体調不良で今季初のベンチスタート。日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(43)は、佐藤輝らクリーンアップ勢を「替えのきかないメンバー」と表現した上で、「シーズン序盤のうちに有事に向けた代役をつくっておきたい」と力説した。【聞き手=佐井陽介】

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結果的には、図らずも佐藤輝選手の存在感の大きさを痛感する1日となりました。佐藤輝選手はこの日、体調不良でベンチスタート。1点を追う8回、ネクストバッターズサークルに現れた瞬間から甲子園の雰囲気が変わった流れも含め、替えがきかない選手になったということでしょう。

現状、佐藤輝選手や森下選手、大山選手の誰か1人でもスタメンから欠けると、打線の迫力は一気に低下してしまいます。長いシーズン、今回のように誰かが体調不良やコンディション不良に陥るタイミングは必ず訪れます。もちろん誰も離脱しないに越したことはありませんが、シーズン序盤のうちに「有事になれば使いたい」という選手を1人でも2人でも増やしておきたいところです。

そう考えれば、1点を追う9回、先頭で高寺選手を代打に送った起用にも納得がいきます。高寺選手は昨季までのプロ4年間で1軍出場わずか8試合。一方でシュアな打撃にはもともと定評があり、内野全ポジションに加えて外野も守れるユーティリティープレーヤーです。まだ22歳で伸びしろも無限。有事の際の代役として台頭してほしい選手の1人に違いありません。この日は三振に倒れましたが、おそらく今後も使い続けながら成長を促していくのではないでしょうか。

投手陣に関しては、今季も層の厚さが際立っています。先発した才木投手の好投には目を見張るものがありましたし、9回は今季1軍初昇格したばかりの漆原投手が3人斬り。誰かが抜けても誰かが穴を埋められる底力は、12球団屈指と表現しても大げさではないはずです。一方で、主力がほぼ固定されている野手陣はまだ替えのきかない選手が多い状況。少し気は早いですが、勝負のシーズン終盤に向けて、レギュラークラスの代役を複数人つくっておきたいところです。(日刊スポーツ評論家)