阪神のドラフト1位ルーキー伊原陵人投手(24)がプロ初先発初勝利を飾った。2回まではパーフェクト。3、4回は走者を背負ったが、粘りの投球で無失点。5回75球を投げ、4安打5奪三振で初白星を手に入れた。元阪神投手コーチで日刊スポーツ評論家の中西清起氏(62)が解説した。
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投手にとって、ホームベースまでの18・44メートルをいかに「短く」して投げるかは大きなテーマだ。阪神伊原は、打者との距離を詰められる投球を見せていた。技術的に言えば、テイクバックの小さいショートアームで、ボールの出どころが見にくい。さらに少し体をひねって、リリースに向かう。これがアクセントになって、球持ちの良さを生んでいる。打者目線では、いきなりボールが出てくる感覚ではないか。球のキレもあるので、好調の広島打線も差し込まれていた。スピードガンの表示以上に速く感じたはずだ。
1軍では最長で2イニングの登板とあって、首脳陣も5回での降板をある程度考えていただろう。伊原はテンポがよく、四球で自滅するタイプではない。開幕から若い富田や門別を起用するなど、シーズンの先をにらみ、先発陣を見極めている段階。2軍で大竹や高橋らが調整していることを考えると、質、量ともに豊富だ。その中でも伊原は先発ローテーションで使われるはずだ。
同一カード3連敗は避けたい試合を取り、大きな1勝となったが、気になったのはゲラの7回投入だ。点差の空いた展開で、本調子ではない右腕の状態を上げさせたいのは理解できるが、まだ広島に3イニングも攻撃の機会が残っている状況での起用は危険だ。こういう投手は9回に登板させるべき。1失点で済んだからよかったが、一歩間違えば、相手に流れを渡しかねなかった。(日刊スポーツ評論家)




