優勝候補の日本ハムにとって、貴重な“新戦力候補”が現れた。

昨年、プロ初勝利をマークしているものの、今季初登板した達孝太投手(21)が6回1失点で今季初白星。もともと期待は高く、大事に育てられたドラフト1位右腕が素質の片りんを見せつけた。

194センチの身長から繰り出す150キロ台の真っすぐには角度がある。欲を言えば平均のアベレージで150キロ台前半をマークしてほしいが、これだけの角度があると、ウイニングショットのフォークが有効に使える。今試合は真っすぐが高かったが、同じ目線の高さからフォークがくるため、打者のタイミングがズレてしまう。甘い高さになっても、打者を打ち取る武器として効果を発揮していた。

素材がいいだけに、あえて今後の課題を挙げておきたい。外崎の本塁打、元山と渡部聖の二塁打は、いずれもボール先行のカウントから真っすぐを狙い打たれた。特に渡部聖の一打は、カウント2-0からの内角高め148キロの真っすぐだった。強打者は「1、2の3」のタイミングで真っすぐを狙ってくる。

達の真っすぐも打者が最も打ちにくい内角高めに投げていたが、物の見事にはじき返されていた。この球を打たれると長打の確率が高くなるだけに、力でねじ伏せるような投球を見せてほしかった。ピンチの場面で強打者を迎えたり、強力打線を相手にする場合の「勝負の分岐点」になる。もう少し球威を上げるか、制球力をよくするか、ちょっとだけでもシュート回転をしないように投げられるように真っすぐを磨いてほしい。

2軍戦で達のピッチングを見る機会があったが、その時も意図的に高めの真っすぐを使っていた。角度があるため、2軍では25回2/3で防御率は0・35。打たれたヒットは8本だけで、24三振を奪っている。低めへの制球も良かったため、低めのボールゾーンに落ちるフォークで空振りを奪えていた。なによりも変化球で腕の振りが緩まないのが良かったし、その時のピッチングができていれば、もっと驚異的な内容になったと思う。

体力的なスタミナは疑問だが、ローテーションに入れなくても先発がいない谷間の試合で先発できれば、チームにとって貴重な戦力になる。優勝候補筆頭のソフトバンクが開幕から不調なだけに、日本ハムにとっては大きなチャンス。達で勝ち星を拾っていけるようになれば、優勝の確率は上げていけると思う。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対西武 6回を投げ終え笑顔で引き揚げる達(撮影・黒川智章)
日本ハム対西武 6回を投げ終え笑顔で引き揚げる達(撮影・黒川智章)