追い上げおよばず、敗れた阪神ですが「しつこくて、うっとうしい」印象を、改めて巨人に与えたことでしょう。4回に4点を先取されましたが、4回も6回も、点を取られた直後に大山の適時打で反撃。なかなか阪神に勝てなかった巨人がせっかく「いけるぞ」というムードになっていたところで、そつのない攻撃をしました。敗れても、今後にいい影響がある試合運びだったと思います。
7回もポイントでした。3点を追う状況で、巨人は好投していた先発井上から中川に継投。こういう場合、ベンチ内で「流れが変わるよ」という声かけがあるものです。ここで先頭の梅野が中前にはじき返しました。この一打はチームを勇気づけたと思います。すぐさま、木浪が右越え三塁打で続いてまず1点。代打渡辺、そして頼れる近本が連続三振しましたが、中野が8球粘って三塁内野安打で1点差まで詰めました。
中川はいい投手ですが、流れを見ている限り、井上に続投されていた方が阪神は嫌だったはず。巨人は絶対に逃げ切りたい展開だけに、中川、大勢から抑えのマルティネスにつなぐ必勝パターンに早く持ち込みたかったのでしょう。ただし、実力ある3投手でも、3人がそろって完璧に抑えるのは簡単ではありません。同点になっていたら一気に阪神の流れになっていました。野球の怖さですね。
試合前から天気予報がかなり悪く、4点を取られた時点で阪神は「早く返さないと」と思ったかもしれません。ただ、試合中のベンチには刻一刻と変わる天気の情報が入ってきます。試合が終わるほどの雨は降らない、という情報が途中で入ったのではないでしょうか。阪神は天気も踏まえながらゲームを進めていたようにも映りました。(日刊スポーツ評論家)




