ヤクルトが広島に快勝した。 ドラフト1位の中村優斗投手(22=愛知工大)が、5回7安打無失点の粘投でプロ初勝利を手にした。

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最下位を独走しているヤクルトの救世主になれるか? ドラフト1位ルーキーの中村優が、プロ入り2度目の先発マウンドに挑んだ。結果は5回を無失点で、プロ入り初勝利を挙げ、チームの連敗を止めた。ただ、正直に言うと、チームの救世主になれるかという問いに対して「大丈夫」と太鼓判を押せるような内容ではなかったと思う。

まず、アマチュア時代の中村優の球威は、こんなものではなかった。150キロの真っすぐは投げたが、この日はアベレージにすると140キロ台中盤ぐらいだった。球質にしても、もっと角度を感じさせる真っすぐだったが、シュート回転して抜けるような球が多かった。それでも点を取られなかったのだから大したもの。本来の自分の投球ができれば、チームの救世主になれる可能性はあった。

そこで目についたのが、広島の戦いぶりだった。暑い日が続き、疲れているのは理解できる。しかし「もう少し頑張れるんじゃないか」というプレーが目についた。

3回、投手の森が先頭打者でライト前ヒットを放って出塁した。絶対に走らない場面だし、先発している投手だからリードが小さいのは仕方がない。しかし、帰塁だけを考えてリードすれば、もう少し広げられる。投手の中村優はフィールディングは苦手そうだし、速いけん制球は投げられそうになかった。クイックのタイムはまずまずだが、コンスタントにクイックはせず、やったりやらなかったりするタイプ。この手の投手はクイックすると制球を乱したり、球威が落ちる。少しでも相手にプレッシャーをかけられたはず。

6回1死一、二塁から、センター前ヒットの打球を処理した中村奨のプレーも気になった。打球はセンターの右寄りに飛んだため、やや返球しにくいのは分かる。しかし中村奨は動きを緩め、カットに入った小園への送球も緩かった。しっかりカットマンに投げていれば小園もバックホーム送球し、際どいプレーになった可能性はあった。

森のリードも中村奨のプレーも、目くじらを立てて批判するようなプレーではない。しかし、疲れる中で森が相手の隙をうかがうようなリードをすれば、攻撃陣も奮い立つだろう。中村奨がキビキビとしたプレーをしていれば、カットに入った小園もピリッとした送球をしただろう。

戦力的な部分で見れば、阪神の方が上だと思う。その部分のハンディをカバーするのが、こうしたプレーの積み重ねではないか。セ・リーグを盛り上げるためにも、広島には最後の最後まで頑張ってほしい。(日刊スポーツ評論家)

広島対ヤクルト ヤクルト先発の中村優(撮影・加藤孝規)
広島対ヤクルト ヤクルト先発の中村優(撮影・加藤孝規)