首の皮一枚でつながっていた逆転優勝の望みが、ほぼ消滅してしまった。日本ハムは難敵・西武の先発今井を攻略しながら、試合終盤に痛恨の逆転負け。痛すぎる1敗を喫してしまった。

信じられないような7回裏の守りだった。2死一塁から何でもない平凡なゴロが、わずかにイレギュラーすると、このイニングから二塁の守備固めに入った山県がファンブル。その後もアウトだったジャッジがリクエストによって覆り、北山をリリーフした上原が逆転3ランを浴びた。本職でないとはいえ、山県のセカンドでのエラーが今季初めてなら、上原の被本塁打も今季初めて。まさに信じられないような現象が続いてしまった。

これが今季の日本ハムの“弱点”だったのかもしれない。大胆な戦術を駆使する新庄監督のもと、メンバーを固定せず、変幻自在に戦うのがチームの強みだった。7月下旬までは首位をキープしていたが、ソフトバンクと一騎打ちになってからは勝負弱さが垣間見えるようになった。攻める場合の「変幻自在」は武器になるが、守りに入ると不安定な「脆さ」につながる。その典型的な試合になった。

石井のセカンドと山県のセカンドではどちらがうまいのか? 本職でなくても確かに山県に軍配は上がるだろう。しかし今季の石井のセカンドでの出場は98試合目で、一方の山県のセカンド出場は28試合目だった。山県はセカンドの守備固めと呼ぶには、試合数が少なすぎる。特に優勝争いしている後半戦でのプレッシャーは半端じゃない。むしろ、石井の今季のエラー数は5個でセカンドとしては上出来な数字だった。その石井に代わるプレッシャーも加わってくるし、試合途中から守備固めに入るプレッシャーも加算される。こうして考えると、考えられるミスでもあった。

リリーフした上原に関しても、不吉な数字が残っていた。今季はここまでの防御率は0・78だが、失点しているのは西武戦だけだった。今試合前まででも、西武戦に限った防御率は6・75。緊急登板でもあり、大の苦手というより唯一苦手にしている西武打線。登板そのものに不安があった。

西武のエース今井を攻略しながらの逆転負け。まだ逆転優勝の可能性は完全に消えていないが、ソフトバンクのマジックは2。優勝が決まるまでの残り試合、勝ち続けて意地を見せてもらいたい。(日刊スポーツ評論家)

西武対日本ハム 5回裏西武の攻撃を抑えた北山は顔をしかめる(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 5回裏西武の攻撃を抑えた北山は顔をしかめる(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 9回表日本ハム2死一塁、野村の一塁アウトセーフのリクエストでアウトとなり引き揚げる新庄監督(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 9回表日本ハム2死一塁、野村の一塁アウトセーフのリクエストでアウトとなり引き揚げる新庄監督(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 7回裏西武2死から追い上げられ厳しい表情の新庄監督(右)(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 7回裏西武2死から追い上げられ厳しい表情の新庄監督(右)(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 7回裏西武2死一、二塁、滝沢の適時二塁打で一気に生還する西川。捕手郡司(撮影・浅見桂子)
西武対日本ハム 7回裏西武2死一、二塁、滝沢の適時二塁打で一気に生還する西川。捕手郡司(撮影・浅見桂子)