阪神桐敷拓馬投手(26)は心底、悔やまれる1球になった。1-1同点の9回裏1死走者なしで、対モンテロにカウント2-2。捕手の坂本はストライクゾーンを外れ、かなり内寄りに構えていた。だが真っすぐはほぼド真ん中に入り、サヨナラ弾を浴びた。坂本の構えでも分かる通り、内角で起こしてボール球になってもフルカウント。そこからが本当の勝負だった。桐敷はその意図を理解した上で、当たったら仕方ないぐらいの気持ちで厳しいコースに投げる必要があった。それぐらい重要な局面を任されたのだから、気迫も前面に出した攻めの投球が必要だった。それが1発だけは絶対に避けなければならない場面、失投が許されない場面で甘く入るようでは次回以降、大事な場面で使いづらくなる。

桐敷は3日のカード初戦でもモンテロに1発を浴びている。藤川監督がこの日あえてモンテロに回る打順で投入したのは、リベンジさせたい思いがあったのではないだろうか。他にも良い投手はいるのにあえて桐敷、に映った。チームに流れを呼べる良い投手からつぎ込む手もあったのではないかと感じた場面だった。

最大の延長12回を考えた時、先行のチームはリードしてから守護神を送るケースが多い。ただ阪神と広島のリリーフ陣を比べた時、明らかに阪神の方が駒が豊富で攻めの投入ができる。広島はハーンの状態は良いが、抑えの森浦が先日サヨナラ負けを喫し、島内も不安定が投球が続いている。一方で阪神にはこの時、岩崎、ドリス、湯浅がいた。桐敷は3月31日のDeNA戦で1回を無失点に抑えたが2安打されている。状態の良さで並べると、9回岩崎、10回ドリス、11回湯浅、12回桐敷。1点を取ってから良い投手をつぎ込むのではなく、良い投手で流れを呼び込んで1点を取りにいく。そんな作戦もありでは、と感じた試合だった。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 9回裏広島1死、桐敷はモンテロにサヨナラ本塁打を浴びる(撮影・上田博志)
広島対阪神 9回裏広島1死、桐敷はモンテロにサヨナラ本塁打を浴びる(撮影・上田博志)
広島対阪神 9回裏広島1死、モンテロにサヨナラ左越え本塁打を浴びた阪神4番手の桐敷(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 9回裏広島1死、モンテロにサヨナラ左越え本塁打を浴びた阪神4番手の桐敷(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 9回裏広島1死、モンテロにサヨナラ本塁打を浴び、悔しそうに引き揚げる桐敷(左)(撮影・前田充)
広島対阪神 9回裏広島1死、モンテロにサヨナラ本塁打を浴び、悔しそうに引き揚げる桐敷(左)(撮影・前田充)