日本ハムが阪神を下したのは、典型的な“バッテリーの勝利”といえる一戦だった。
伊藤-田宮が抜群の組み立てをしてみせた。阪神の各打者は体に近い球を意識させられたが、意識させられ過ぎたと表現してもいいほどだ。
4番の佐藤にアウトコースに配したのは、ほんの数球しかなかった。9回は森下に続いて、佐藤、大山に詰まりながらもヒットにされた。これで無死満塁のピンチを招いたが、それでも力勝負をされた。
阪神サイドも、体に近いコースにくるのが読めていただろうが、打者のほうから仕掛けることが出来なかった。売り出し中の新人立石にしても、ちょっとホームベースから離れて踏み込んでいくタイプで、内にくると思ったら外角球でかわされた。
つまり日本ハム・バッテリーは「初志貫徹」で攻め続けた。逆に阪神は押し込まれて、甘い球がなかったわけではないが凡打になった。セ・リーグにはこのようなインサイドワークをしてくるチームは見当たらない。
阪神としては、まんまとやられた感が強い。日本ハムは併殺がとれなかったりミスもあったが、そのピンチも伊藤自らの踏ん張りで救った。今後も阪神と対戦するパ・リーグは、伊藤のような投球を参考にする可能性がある。それをいかに克服するかが課題になってくるだろう。
また日本ハムは、走力のある人材がそろっているから、パ・リーグでは相手チームは機動力を警戒するあまり長打につながっているといった見方もできる。ただ投手を含めたディフェンスに心配材料があるが、ここさえ安定してくれば必ず浮上するとみている。
(日刊スポーツ評論家)




