今季プロ4年目で右翼のレギュラーに定着したソフトバンク上林誠知外野手(22)が新たな試練を乗り越えようとしている。8月中旬からチームのルールが変更となり、ナイター後はヤフオクドームの選手食堂で食事をして毎日、福岡・筑後市の「若鷹寮」に帰宅することになった。

 昨年、福岡市内から筑後市にファーム施設、寮が移転。1軍の寮生は近隣のホテルに宿泊していた。だが、現在はナイターの翌日がデーゲームの時以外は、寮からの通勤に変わった。上林は午後1時からの早出特打より早い時間から練習を行っており、シーズン終盤の疲れがたまる時期に突然の通勤指令。先日も午後10時30分にタクシーでドームを出て、博多駅から九州新幹線で筑後船小屋へ帰った。今までの徒歩5分から通勤時間は1時間以上に。上林は「眠いし、きついですよ」と苦笑い。だが、やはり自分の部屋のベッドは落ち着くと言う。

 球団関係者は「寮生は寮で社会人として教育を受けるのに、1軍になったら寮にいないのではいけない」と今回のルール改正の背景を話した。高卒は5年間寮に入らなければいけない。上林は筑後市の「若鷹寮」初のレギュラー。今後の成功モデルとなるべく、ポジションを守り抜いてほしい。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】