ヤクルトのオフが長い。今季の全日程が3日に終了。その後、16日の秋季練習開始まで実に13日間の休みだ。クライマックス・シリーズ進出を逃したBクラスの他球団と比べても

・巨人 オフ5日間(3日試合終了、9日秋季練習開始)

・中日 オフ3日間(10日試合終了、14日秋季練習開始)

・オリックス オフ10日間(7日試合終了、18日秋季練習開始)

・日本ハム オフ2日間(9日試合終了、12日秋季練習開始)

・ロッテ オフ10日間(10日試合終了、21日秋季練習開始)

 とトップの期間だ。

 今季は球団史上最悪の96敗を記録。故障者が多く、終盤に1軍メンバーとしてプレーした若手選手の多くが「みやざきフェニックス・リーグ」に参加中とはいえ、なぜオフが長いのだろうか。

 シニアディレクター(SD)を務め、来季から指揮を執る小川淳司新監督(60)に聞くと「休みは10日くらいがいい。2週間は長すぎる」との返答。首脳陣も感じている今季のオフ期間が長い理由を説明してくれた。

 まず1つめは日程消化が順調だったことだ。今季雨天中止は4試合(うち主催試合は2試合)のみ。小川新監督いわく「ヤクルトは例年シーズンが終わるのは10日くらい。3日に終わるなんてことはなかった。それも影響している」と話す。屋外の神宮球場であるため例年6月など雨の多い時期は試合中止がかさみ、9月、10月に振替試合の日程が組まれる。しかし、今季は天気に恵まれたため、想定より早く全日程が終了。空白が生まれてしまった。

 2つめは監督就任発表がシーズン終了後になったことだ。真中監督の退任が8月末に決定、衣笠球団社長は9月1日に小川SDへ監督再登板を打診した。しかし、就任発表は真中監督へ配慮をして全日程が終了してからと決めていた。小川SDが日程について話すと次期監督というのが漏れてしまうため、秋季練習について新監督の意向を伝えられず、13日間のオフとなった。小川新監督は「俺がいう立場になかった」とコメント。オフの期間の調整がうまくいかなかった要因となった。

 13日間の休みは長く感じるが、秋季キャンプの日程を考慮しているのも事実。小川新監督は「キャンプのことも考えているから。そこから逆算して体を休めるならば休める。自主性の問題だよね。やるやつはやる。その辺りは自覚を持ってやってもらいたい。競争という認識を持って秋から取り組んでもらいたい。練習は質と量。両方を求めて、レベルアップしてほしい」と話した。

 秋季キャンプは11月2日から愛媛・松山市で開催予定。12日発表の新生侍ジャパンでは12球団で唯一、選出選手がいなかった。小川新監督は「現実として受け止めないといけない。その世代に選手がいないということ。星は肘の手術でいないし、そういったことは受け止めてやっていかないと」と若手から中堅にかけての層の薄さを嘆き、個々の成長を期待する。球団最多敗からの復活へ。長い休みの後に、地獄の秋が待っている。【ヤクルト担当=島根純】