オリックス平野が7日、メジャー挑戦を正式に表明した。米球団のオファーが届くことが想定され、残留の可能性は限りなく低い。オリックス退団なら、投手陣への影響は計り知れない。実績はもちろん、ブルペンをまとめてきたリーダー的存在だったからだ。

 1年目の今季にセットアッパーとして活躍した黒木は、体調面の助言をたびたび受けていた。疲労回復にいいと聞き、シーズン中から交代浴を始めた。3歳上の岸田は平野を、元NBA選手に似た顔立ちから「ピッペン」の愛称で呼ぶ。苦楽を共にしてきた。「12年間も一緒だったから、やっぱりいなくなるのは寂しい」とつぶやいた。

 10月のある日。戦力外通告を受けた某選手の慰労会が開催された。その食事の席には、メジャー挑戦表明前の平野もいた。年齢に関係なく、みんなが「メジャーでも頑張ってください」などといじっていたそうだ。平野がいかに尊敬され、愛されたかが分かる。

 長年、さまざまな面で投手陣を支えてきた守護神が去ることはほぼ確実だろう。彼が言葉や、背中や、投げる姿などで残してくれたものを、後輩が受け継いでいくことが大切。それがチームのよき“伝統”になっていくと思う。【オリックス担当=大池和幸】