日本人の多くはうどんにコシの強さを求める。オリックス金子は腰に強さを感じたようだ。11日の更改会見では、来年1月予定の米ロサンゼルス自主トレについても語った。訪問は昨オフから2年連続となる。

 「できるメニューは増やしたい。これまでは腰に負担がかかるような、重さを持ってやるトレーニングができなかった。今年1月にロスでやったらできるようになってきた」と、自らにブレーキをかけていた事実を初めて明かした。

 過去に右肘を2度手術したが、腰の痛みにも苦しんできた。09年の春季キャンプで別メニュー。12年は開幕投手を回避の原因に。昨年も張りを訴えた。それが尾を引き、走り方にすら制限があったという。

 不安の解消は、前に進む力となる。今季の3年ぶり2桁勝利がそれを証明している。ベテランの域に入った34歳は「肉体は年齢とともに衰えていくが、逆らっていきたい。体力や筋力をアップして、技術アップにつながれば」と言う。

 14年はMVPに輝き、プロで成長できた要因に「けがをしたこと」を挙げた。故障するたびに自分を見つめ直してきた。うどんのおいしさも、野球選手もコシが大事。うまいダシがきいたような、円熟味ある投球を来季も期待したい。【オリックス担当=大池和幸】