巨人阿部が「スマート化」を継続している。例年は体重100キロの大台から自主トレ、キャンプを経て90キロ台に絞り込むが、今オフは90キロ台前半をキープ。「体重管理は意識はしているけど、そこまで強く意識している訳じゃない。基本的には普通に生活しているよ」。あっけらかんと話した。

 体重はアスリートにとって重要なファクターとして捉えられている。数年前に意図的に減量したが「打球が飛ばなくなった。軽くなればいいというものでもないから難しい」。柔道やレスリングは体重別に階級が分けられているし、ボクシングでも過酷な減量が強いられることが多い。一方で高校野球では増量を狙い、ご飯のおかわりを義務づけられるチームもある。増やすか、減らすか。個人、競技におけるベスト体重を模索することは永遠のテーマとも言える。

 今季、交流戦最終戦のロッテ戦で厳しい内角攻めに体をのけ反らせ、膝を負傷した。「離脱したことが悔しい。1年間通してプレーすることにこだわっていた」と悪夢のようなシーンだった。周囲ではウエートオーバーが原因ではとの声もあったが阿部本人は完全否定。「あれは体重の影響ではない。スパイクが地面に引っかかった。もし体重が原因だったらもっとひどいケガになっていた」と見解を示した。

 ベスト体重とは。元来、人間の体は必要なものを求め、不必要なものを排除しようとする。サプリメントや栄養管理のノウハウが進歩した現代社会だが、「普通に生活してる」中で体重管理ができている現状こそが最善ではないかと思う。【巨人担当 為田聡史】