たなびく日本一フラッグが誇らしい。ソフトバンクのキャンプ地・宮崎生目の杜には3日、キャンプ初の土曜日とあって1万8400人(球団発表)のファンが詰めかけた。実力、人気ともにまさに「常勝」の地位に登り詰めた感があるが、歴史を振り返ると、明るい時代の前には暗くつらい時期もあった。「強さ」や「人気」は一朝一夕に得られるものではない。
Bクラスに低迷していたダイエー時代のこと。中内功オーナー(故人)が、意を決して球団に大きな荷物を送りつけてきた。キャンプで球場に掲げるようにと指示があった。それは「同好会は終わった!」の文字が力強く書かれた横断幕だった。「弱小」に業を煮やしたのだろう。球団買収から浮上の気配のないチームにトップ自らカツを入れた。さすがに球団幹部の配慮でこの横断幕はお蔵入りとなったが、「金は出すが、口は出さない」がモットーだった中内オーナーの変心だった。
変われば変わるものだ。ホークスの今季のチームスローガンは「もう1頂!」。もう1度、チーム一丸となって頂点を目指そう。そんな思いが合言葉となっている。もちろん、連続日本一が目標である。Aクラスが夢だった時代から比べると、意識も雲泥の差だ。
「昨年は日本一になったけど、さらに強いチームを作るためにね」。初日から練習を見守る王球団会長は言った。1軍だけでなく、ファーム強化を主眼に王会長自らが招聘(しょうへい)した金星根コーチングアドバイザーもチームの動きに熱視線を送っている。「強いチームにするために金さんに来てもらったんだから。どんどんやってもらいたいね。チームにはちゃんと言ってあるから」。韓国プロ7球団で監督を務めた名将のコーチングに王会長も大きな期待を寄せた。
ホークスが誕生して80周年のメモリアルイヤー。常勝の礎(いしずえ)をさらに盤石なものにしたい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】




