「松坂2世」が“師匠”に憧れを深めた。巨人2年目右腕の高田萌生投手(19)は巨人対中日の一戦を映す選手寮の食堂のテレビにくぎ付けになった。画面の向こうには4209日ぶりの先発マウンドに上がる中日松坂大輔投手(37)の姿。

 「もちろん見逃せないですよ。やっぱり雰囲気がすごい。言葉では表せないですが、高校時代からずっと変わらない、マウンドに立つ雰囲気が好きなんです」。

巨人高田萌生投手
巨人高田萌生投手

 横浜高が甲子園春夏連覇し松坂が「平成の怪物」と呼ばれた98年に生まれた。ソフトボールをやっていた小学生の時、当時レッドソックスで活躍していた松坂に衝撃を受けた。動画サイトで横浜高、西武時代の投球を検索し研究した。ゆったりとしたワインドアップから左足を上げる松坂そっくりなフォームを作り上げ、創志学園高3年春のセンバツで152キロを計測。「松坂2世」と注目を浴び、指名あいさつでも憧れを公言した。

 今でも研究は欠かさない。中日移籍後の登板ももちろん、全てチェックしている。「力感がなくストレートの回転がすごい。高校時代と比べて球速が落ちてしまうのは仕方ないのかもしれませんが、スライダーやシュートを有効に使って抑えているので、勉強になります」。

創志学園時代の高田萌生と西武時代の松坂
創志学園時代の高田萌生と西武時代の松坂

 プロ入り後は松坂仕様のフォームに自らの考えを合わせ、オリジナルのフォームを模索中。最速154キロの直球に磨きをかけるために、今季から左足を2度小さく上げる動作も試している。「下半身をしっかりとさせて足で地面をつかむ感覚を意識しています。打者が待っていても差し込まれるような、低めに伸びるようなまっすぐを投げたい」と、若さを前面に出した気迫あふれる投球を追い求める。

 今季は6日現在、2軍戦で2試合に登板。「いつか1軍の試合で松坂さんと投げ合いたいです」。今年の目標に「1軍登板」を掲げた右腕は、憧れの“師匠”との競演を夢見て、鍛錬を積ねる。【巨人担当 桑原幹久】