エンゼルス大谷翔平投手(23)が、マリナーズ戦に先発登板。カーブを多投するなど進化した投球で、7回途中6安打2失点で約1カ月ぶりに3勝目(1敗)を挙げた。

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 大谷の活躍で、米国アマチュア野球の「二刀流」に対する考え方に動きが出始めた。少年たちは夢をふくらませ、二刀流でメジャー入りを目指す。指導者の方針にも変化があり、影響が形となって表れてきた。

 もともと、米国では二刀流の育成に“制限”があった。カリフォルニア州ハンティントンビーチの高校野球チームで指導を続けるアダム・スプリングストン投手コーチ(40)は「高校では、基本的に選手たちのやりたいポジションをやらせる。ただ大学での二刀流は非常にレアだ」と話した。

 大学野球では、スカラシップ(奨学金)制度で選手を獲得するケースが多い。リクルートする時「投手として考えている」などと希望を伝えることが基本。メジャーのドラフトと似た形だ。二刀流選手の母数は大学野球で極端に減るが、それが今、変わりつつある。

 全米大学体育協会(NCAA)1部リーグに所属するカリフォルニア大学バークリー校のマイク・ニュー監督(40)は、大谷の活躍が大学野球に与える影響について「大いにある。二刀流をやりたいなら『やってみようじゃないか』と言う。ほとんどの大学で増えていくと思う」と明かした。

 同大学は現カブスの守護神ブランドン・モロー投手(33)などを輩出する名門校。外野手かつ守護神のタナー・ドッドソン選手(20)は屈指の二刀流だ。大谷について「これからもずっと、メジャーで二刀流として成功して欲しい。僕の夢も二刀流のメジャーリーガー」。大谷が活躍するほど二刀流の母体は拡大する。【MLB担当=斎藤庸裕】

マリナーズ対エンゼルス 5回裏マリナーズ2死、ギャメスの打球にジャンプして飛びつくもあと少しのところで捕り逃すエンゼルス大谷(撮影・菅敏)
マリナーズ対エンゼルス 5回裏マリナーズ2死、ギャメスの打球にジャンプして飛びつくもあと少しのところで捕り逃すエンゼルス大谷(撮影・菅敏)