広島が球団初のリーグ3連覇へひた走っている。3年連続で首位のまま交流戦に突入することが決定。少し前だが、緒方監督にチームの現状をどう思っているのか聞いた。

 「ウチは勝ってるけど、ぎりぎりやぞ。先発投手がああいうことになって、不安があるから。その中でよくやってくれている。タナ(田中)、キク(菊池)らは目いっぱいの中でやってくれているよ」

 予想どおり、まず挙げたのは不安要素だった。「ああいうこと」とは開幕投手野村の離脱や、昨季15勝の薮田の不振を主に指していることは言うまでもない。「守り勝つ野球」を基本方針に掲げるだけに、投手陣の出来にはかなり敏感になっているようだ。

 ただチーム内のバイオリズムというか、巡り合わせがとてもいい。誰かが不振に陥っても、他の選手が調子を上げる。昨季MVPの丸が故障して以降、代走や守備固め要員だった野間がカバー。野村と薮田が離脱すれば、大瀬良が一気に白星を伸ばした。

 この好循環は、簡単に言えば選手層の厚さに他ならない。その点についても緒方監督は「勝ってるから、そう見えるだけやろう」と一蹴した。まだ開幕から2カ月弱。これからも指揮官は不安との戦いが続く。【広島担当 大池和幸】