「あと6日もないじゃないか。人生の中で素晴らしくうれしい日が、間近に迫っている」。ロッテの右腕マイク・ボルシンガー投手(30)は、ふと通訳に「今日は何日?」と尋ね、「20日」と聞くと幸せそうに目尻を下げた。パパになる日へのカウントダウンはもう始まっている。

 第1子誕生となれば、多くの外国人選手は帰国してお産に立ち会う。だがボルシンガーはローレン夫人(31)を伴って来日。千葉市内で2人で暮らしている。この奥さんが、なかなか気の強い「姉さん女房」。開幕以降安定して6回を投げ、強力西武打線から勝ち星を挙げた5月12日。帰宅すると褒められるどころか「いつ7回まで投げるの?」と尻をたたかれた。巨人を完封した16日朝も「今日は何回投げる?」とプレッシャーで送り出された。

 だがそんな強気な妻も、言葉の通じない異国での出産に不安がないはずがない。そこで“奥さま会”のサポートである。「住んでいる地区には外国人が多くてね。年配の方も、アメリカに行ってたことのある人もいる。そういう人が病院に付き添ってくれたりしてるんだ」。ご近所さんが助けてくれるから、旦那は安心して野球に専念できる。

 交流戦を終え、球団の助っ人選手では単独新記録となる自身7連勝中。リーグ戦が再開され、23日には再び西武と相まみえる。「もしかしたらマウンドにいる時、そういう連絡がくるかもしれない。しっかり登板に向けて準備して、あとは楽しみに待とうと思う」。

 予定日は近い。8連勝の快挙と、「元気な男の子が生まれました」の“ダブルおめでた”報告が、一気にできたら最高だ。