今回はロッテの“鉄人”うぐいす嬢、谷保恵美さん(52)のインタビュー後半をお届けします。

 谷保さんは1軍戦の場内アナウンスを通算1700試合、連続で1500試合以上担当。


 -連続アナウンス記録が途切れそうになったピンチは

 「一番危なかったのは熱が上がったときですかね。インフルエンザはシーズン中にかかったことがないのでまだセーフなんですけど、一番ひどかったのが、05年のシーズン最終戦。初芝さんの引退試合だったんですよ。会社に来て熱を測ったら40度あって。もう放送室で、椅子にもたれかかってぼうっとしてたんですけど、何とか終わったっていう」。

 -球場にたどり着けなかったことは

 「電車が止まったこともありましたね。京葉線が途中で止まって、当時携帯がなかったので、会社に連絡しなきゃってまず思ったので、降りて、近くのカーディーラーで『電話貸してください!』って頼んで。会社に『とりあえず開場しといて』って伝えて、何とかタクシーで向かったら、風で試合自体が中止になってました」

 -体調維持のために心掛けていること

 「手洗いうがいは必ずして、寝るときは首にタオルを巻いてます。首、肩が冷えると風邪ひいちゃうんですよね。あとは乾燥するといけないので、のどあめとか、そういうのは常に食べてますね。コンディションが悪い日は、マイクのボリュームを上げてもらうよう頼んだりしてます」

 -風邪は特に注意

 「熱が上がっちゃうと、声も出なくなっちゃうんで、そこは気を付けてます。テレビで、お医者さんがどうして風邪をひかないのかをやっていて、水やお茶の飲み方を特集してたんです。『ごくっ』と思いきり飲むと菌が胃酸で死んでしまうから、逆に飲み込んでしまうって。そういうのも見て、良さげなものはやってみてます」

 -最近はZOZOマリンに『谷保』ボードを持っているファンの姿も

 「あれ、びっくりしましたね。(アナウンス通算)1700試合か連続1500試合の時、ファンの方が届けてくれて。こんなボードつくりましたって。ありがたいですよね」。

 -『サブローーー』でアナウンスが名物に

 「最初は普通にサブローって言ってたんです。それがサブローさんのご活躍とともにだんだん、『栄光の架橋』の曲の感じでのびてきて。長いって言われてはいたんですけど、サブローさんからもっと長くいけって言われたので。ご本人の希望で。普通はね、あんなんしないですよね(笑い)」

 -特徴はあったほうが

 「連戦になると、飽きてきても困っちゃうなっていうのもあって、希望は七色の声でも出ればうれしいんですけど、そうもいかないので。わざと(目立つように)やることじゃないですしね。基本は選手の名前が聞き取れないと困る。試合の進行の担当なので」

 -うぐいす嬢のやりがい

 「勝ち試合を見るたびにうれしいです。あの一体感というか、球場の。お客さんもわあってなって、チームも喜んでる。9回3アウト目、三振なりフライで取って、『試合終了でございます』って言う時が、一番うれしいですね」

 -1軍通算1700試合と連続1500試合をクリア。次の目標は

 「(連続1700試合クリアのヤクルトのマスコット)つば九郎からメッセージが来ました。うちのキャラクター担当者を通じて、『まだまだだな』って(笑い)。クビだって言われたらいつでも、はいって受けざるを得ないんですけど、まあでもね、ここで優勝見たいですからね。ここで優勝見てないんですよ。(日本一になった)05年も10年も。3位でパブリックビューイングばっかりやってて、ビールかけ会場の受付とか、そういうのしかやってなくて。ここで千葉のお客さんと、わあってなるのを見てみたいですよね。それを見られたらもうね、思い残すことはないですね」【取材:ロッテ担当 鎌田良美】