<ソフトバンク3-7ロッテ>◇6日◇ヤフオクドーム

ソフトバンクが開幕5連勝だ! と浮かれていたら、5連敗だったロッテに足をすくわれ、連敗を喫してしまった。満開桜が春風に花びらを散らすように、はかなく勢いもしぼんでしまった。

グラシアルが左脇腹を痛め、戦列離脱した。中村晃の穴を埋めるべく活躍していた助っ人だっただけに、この穴は大きい。まだ開幕して10試合も経過していない。シーズンの戦いを左右するほどではないかもしれないが、日々必勝を誓うホークス首脳陣にとってはそうは言っても、楽観視もしてはおられまい。

「流れ」というのはこの2試合を見ても明らかだが、一気に逆流する。エース千賀の奮投も延長戦で落とし「マリンガン打線」を勢いに乗せた。この日は3回までに4本塁打。この2戦で計7発を献上した。浴びせることはあっても浴びせられるのはなかなかお目にかからない。打線の奮起もさることながら、やはり投手陣で食い止めるしかない。

ファームではインフルエンザがまん延している。石川、田中が罹患(りかん)し、この日までに高橋純、育成野沢、さらに板東が3月上旬に続いて2度目の発症となった。1軍メンバーの栗原、周東、高橋礼、甲斐野ら寮生は感染防止のために寮には戻らず、福岡市内のホテルに宿泊する措置をとった。1軍へのインフル禍は何としても避けなければならない。

ダイエー時代の94年6月にチームに夏風邪がまん延したことがあった。6月は首位に立ちながら1勝を挟んで2度の5連敗…。そのシーズンは69勝60敗(1分け)と貯金をつくったものの4位に終わった。「あの風邪が…」と根本監督も悔しがったほどだった。シーズンは長い。どこに「落とし穴」があるか分からない。開幕間もない今だからこそ、用心深く今後の戦いに備えなければならない。【ソフトバンク担当 佐竹英治】