<ソフトバンク2-6楽天>◇18日◇ヤフオクドーム

今季はダイエーが南海を買収し、ホークスが福岡に舞い降りて30周年の記念シーズンだった。「30th WE=KYUSHU」を合言葉にソフトバンクはメモリアルシーズンを戦ってきた。昨年は2位に終わりながらCSで王者西武を下し、2年連続の日本一に上り詰めた。ただ、V奪回の雪辱は忘れていないはずだった。ところが、秋風が吹き始めると首位を走っていたチームもバランスが悪くなった。西武に首位の座とともにVマジックも奪われてしまった。何とも厳しい最終局面を迎えた。この日、チームは敗れ西武のVマジックは2つ減った。もうカウントダウンである。一戦必勝、残り試合全力…。かけ声はあってもチームが機能しない。レオの背中を追って逆転V奪回を目指すチームは、根性論のような気迫一点で必勝を誓うしかない。

9月19日は83歳でこの世を去ったダイエー初代オーナー・中内功氏の命日である。球団身売りから1年後の05年初秋、中内氏はこの世を去った。常勝に育ちつつある「おらがチーム」を静かに天国から見守っているに違いない。「ネアカ のびのび へこたれず」-。この言葉は中内氏の座右の銘だった。球団買収から11年目にして悲願のリーグV&日本一に輝いた。屈辱に耐えながらも「ネアカ-」の言葉をチームに送り続けていた。

工藤ホークスは札幌、旭川で星を落とし戦意も失ったのだろうか…。試合直後の一塁側ベンチ。口を真一文字に結んだ工藤監督が1点を見つめたまま仁王立ちしていた。残り8試合、大逆転へ向け、どう立て直してくれるのだろうか…。【ソフトバンク担当 佐竹英治】