<ソフトバンク1-5ロッテ>◇21日◇ペイペイドーム

ちょうど試合が終わったころ、福岡の空は部分日食の天体ショーが見られた。残念ながらホークスの本拠地ペイペイドームは分厚い屋根に覆われているため、選手たちは目にすることができなかった。日食は昨年12月以来だが「夏至の日食」となるとなんと江戸時代までさかのぼり、372年ぶりの出来事だったという。

まあ、この日の部分日食に歩調を合わせたわけではなかろうが、陰ったのはホークスも同じだった。昨年8勝17敗と大きく負け越した苦手ロッテに痛い黒星を喫した。工藤ホークスとなって開幕カードの負け越しは15年の1年目以来5年ぶり。開幕星でスタートダッシュを誓ったはずが思わぬ連敗に、無観客のスタンドがさらに寂しさを助長する。

ロッテに2連敗し、ベンチで渋い表情の工藤監督(左)らコーチ陣(撮影・今浪浩三)
ロッテに2連敗し、ベンチで渋い表情の工藤監督(左)らコーチ陣(撮影・今浪浩三)

この3連戦でホークスの得点は2、2、1の計5点。売り出し中の栗原が1番起用に初回、右中間二塁打で応えたが、今宮が右飛に倒れると、柳田、バレンティンが連続三振。最高の先制機をつぶした。楽天からロッテにFA移籍した先発美馬を相手に毎回走者を出しながら、得点は2回の1点だけ。3者凡退に終わったのは8回の1イニングだけだが、走者を塁に残したまま、ことごとく攻撃はついえた。終わってみれば計12残塁。8番に下がった松田宣の意地のタイムリーも反撃の起爆剤とはならなかった。打線は水もの、と言われるが、「つながる打線」にはまだほど遠い。

3回裏1死三塁、バレンティンは三振に倒れる(撮影・今浪浩三)
3回裏1死三塁、バレンティンは三振に倒れる(撮影・今浪浩三)

背部痛の上林が2戦連続で欠場。試行錯誤のオーダー編成だろうが、試合前のコーチ会議も「3密」防止のため、タブレット端末を使ったオンライン会議。コロナ禍の厳しい環境の中、模索の日が続く。23日からは西武と敵地所沢で6連戦…。早く光明を見いだしてもらいたいものだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】