私にとって阪神担当1年目のシーズン。戦いは始まったばかりだが、彼らの全力疾走を怠らない、平凡な内野ゴロでも必死に走る姿が印象に残る。そういえば、開幕前日の18日、矢野監督はこう言っていた。

「オレの自慢…去年からの自慢は全員で戦うっていうところと、全力疾走っていうのが自慢で。みんなやり切ってくれている。それって子どもたちの手本になれてると思うので。プロが打った後、あきらめてるんじゃなくて、一塁まで走りきる、というのは」

もちろんプロだから勝敗や投打の成績が一番問われるのは当然。それでも、地道なことに対し、手を抜かない姿勢に共感する。選手会長の梅野も17日に、目前に迫ったシーズンに向けて「一生懸命、ちょっとした全力疾走とかそういうところ。見えるか見えないか、伝わるか伝わらないか分からないけど、自分にできることをやって、毎日そういう気持ちで臨んでいきたい」と語っていた。

プロならではの一流のプレーとともに、彼らの決してあきらめない姿勢にも、この1年間、注目していこうと思う。【阪神担当=松井周治】

3月21日、ヤクルトとの練習試合で二塁内野安打を放った木浪
3月21日、ヤクルトとの練習試合で二塁内野安打を放った木浪