<ソフトバンク4-1オリックス>◇14日◇ペイペイドーム

内角球を仕留め、豪快な決勝3ランを放ったソフトバンク柳田の技術力は「さすが」のひと言だった。と同時に、この試合でシンパシーを感じたのは、マウンドでぼうぜんとアーチを見送ったオリックス山崎福でもあった。

黒星街道を抜け出せないチームにあって、懸命に腕を振った。ソフトバンク先発の東浜は5回102球で降板したが、1回の1失点だけでしのぎ続けた。先頭打者を出塁させたのは8回の明石だけだった。その回に決勝弾を浴びたが「だから打たれる」と言ってしまえば、厳しすぎる。味方打線は何度も好機をつくりながら、ホームが遠い。こういう試合、最後につかまるのは決まって「好投を続けていた」投手である。

ファンにとってひいきのチームが勝つのは何よりうれしいが、白熱の試合も楽しみの1つ。その意味で山崎福の奮投は称賛に値する。それにしてもオリックスは泥沼状態。ホークスは今季最多の貯金9に積み上げたが、そのうち8つがオリックスからの貯蓄。10戦9勝1敗と圧倒している。弱かったダイエー時代、中内功オーナーは「ウチは五木の子守歌ですから。♪盆から先はおらんど…」と、歌詞を口ずさんでチームをやゆしていたことがあったが、自力V消滅のピンチに立たされたオリックスはまさに背水の戦いになってきた。

そんな相手に、ホークスも容赦ない。今季デーゲームは借金完済で6勝6敗とした。ナイトゲームは22勝13敗(1分け)。夜に加えて昼も強くなった。何ともたくましい男たちだ!【ソフトバンク担当 佐竹英治】