コロナ禍の影響で無観客実施などを余儀なくされているが、ファンにとっては待ちに待った球春が到来した。阪神は1軍キャンプメンバーに新人6選手が選出された。ドラフト1位の佐藤輝を筆頭に、フレッシュな顔ぶれに期待が集まる。新人選手もさることながら、個人的に注目したいのは高卒2年目の井上。さらには、その手に握られるバットだ。
首脳陣も大きな期待を寄せる若きスラッガーには、バットマニアな一面がある。普段から「バットは商売道具」と話すように、常に最高の1本を探し求めている。現在は履正社の先輩であるロッテ安田のモデルを使用しているが、昨シーズン中は広島鈴木誠らのモデルも試していた。今回の春季キャンプに向けては楽天浅村や中日福留らのモデルもメーカーに発注。自主トレ中はもちろん、練習後の夜間や休日で時間を見つけては、寮に隣接する室内練習場に足を運んで試打を繰り返していた。
「しなりや反発が全然違いますね。自分に合わないものは合わないですし、それは打ってみないと分からないので」
試したいバットをメーカーに発注する際にも、細部にこだわりを見せる。例えば1度の発注で素材はホワイトアッシュやメープルなどを数本、長さも1ミリ単位の間隔で4~5本を依頼する。沖縄入り直前には、エンゼルス大谷モデルも準備した。2年目で初めてつかんだ1軍春季キャンプの大チャンス。
「まずは自分が今できることをしっかりとやって。そこから少しずつレベルアップして、アピールしていきたい」
飽くなき探求心の先に、最高の一打が待っている。打撃練習では鋭い打球に加え、その手元にも要注目だ。【阪神担当 奥田隼人】




