日本中を熱狂に包み込んだ東京五輪では、数多くのニューヒーロー&ヒロインが誕生した。新競技のスケートボード・パーク女子で金メダルを獲得した四十住(よそずみ)さくら(19=ベンヌ)もそのうちの1人。広島林晃汰内野手(20)は「めちゃめちゃすごいって、地元で有名でした」と、同競技で五輪初代女王に輝いた“ご近所さん”の快挙に熱視線を送っていた。

林と四十住は同じ和歌山・岩出市出身。林が1学年上で、2人とも地元の岩出小、岩出中を卒業しており、お互いの実家は歩いて5分ほどの近所にあるという。直接的な面識はないが、林は「子ども会の集まり的な、レクリエーションに一緒に参加していたような気がします」と、かすかに残る記憶をたどって話した。四十住の実家の庭にあるというスケートボードの練習場は「遠目からは見たことあります」と明かした。

四十住の快挙で、地元はお祭り騒ぎで熱気が高まっている。地元の知人からうわさを聞きつけたという林は「“四十住フィーバー”になってるみたいです。五輪前からめちゃめちゃ盛り上がってたらしいですからね」とニンマリ。「金メダリストとつながりたいですね。僕なんかとは天と地の差ですけど、本当にすごいです」と謙遜した。

高卒3年目の林は、持ち前の長打力を武器に、今季ブレーク中だ。44試合に出場し、打率3割1分5厘、5本塁打、23打点。広島のレギュラーに定着しつつある。野球は五輪競技から再び離れるが、7年後の28年ロサンゼルス五輪ではまた開催される可能性もある。林が順調に成長、経験を重ねていけば、侍ジャパンに選出される可能性も十分にあるだろう。同郷出身の四十住との「金メダル共演」に期待が膨らむ。【広島担当=古財稜明】