西武栗山巧外野手(37)の、生え抜き初の快挙が秒読み態勢に入った。1日のロッテ戦(ZOZOマリン)で4試合ぶりの2安打で、通算1998安打。2000安打まで残り2本と迫った。3日楽天戦(楽天生命パーク)は38回目の誕生日。史上初のバースデーメモリアルの現実味を帯びてきた。たとえ3日がかなわなくとも、敵地3連戦での達成の可能性が高まっている。

1週間早ければホーム6連戦中で、本拠地・メットライフドームでの達成だった。ホームであればたくさんのファンに祝福される。8月のホーム戦だと色鮮やかな「彩虹(さいこう)ユニホーム」を着用していた。達成の瞬間の姿が、球団史に語り継がれることを考えると、誠に勝手ながら、個人的には少しだけホッとしている。

栗山が開幕前に言っていた。「打てるかどうかもわかんないのに、ホームで打ちたいなんてぜいたく言えない」。残り74本で迎えた今季、開幕直後にけがで出遅れた。でも、こんな話もしていた。「ビジターはビジターで、そこしかこられないファンの方もいる。お金かけて敵地の球場に足を運んでくれるファンもいる。そう考えると、その人たちのためにっていう思いもあるんですよね」と。なんとも栗山らしい発想だと思った。

ビジターでも、特に楽天となれば縁やゆかりのある選手が多い。「どこで打つかは、神様が決めるもん」。どこであろうと、達成の瞬間は一生忘れない光景が待っている。【西武担当=栗田成芳】