中日又吉克樹投手(30)が勝利の方程式で抜群の存在感を放っている。

R・マルティネスが五輪予選出場で離脱した5~6月には代役守護神まで務め、25日現在、リーグトップの61試合に登板。2勝2敗8セーブ30ホールド、防御率1・39と好成績を残す。リーグトップの防御率を誇る中日投手陣をしっかりと支えている。

今季の又吉を物語るのが「反省」の2文字だ。今季初登板初ホールドの3月26日広島戦(マツダスタジアム)でリリースされたコメントは、「しっかり抑えられて良かった」。変化が表れたのは、4月21日のDeNAからだった。ホールドこそつかなかったが、先発勝野を救援し8試合連続無失点を達成。「先頭を出してしまったので、そこは反省したい」とコメントを残した。その試合を皮切りに、又吉の登板後コメントでは好投しても「反省」が定番になった。

9月5日DeNA戦で今季初勝利を挙げた後に「反省」の理由を明かした。「しっかり準備して、終わってから反省が出てくる。真ん中にスライダーがいって三振を取って、ああ良かったで終わらせていた。結果的に無失点だからいいや、で済ませたのが、後々とんでもない失点につながるかもしれない。次は(失投を)しないように自分への戒めも含めてです」。野球だけでなく、他のスポーツ、仕事、勉強にも当てはまる名言だと思う。

5年ぶりの年間60試合登板をクリア。新人の14年に記録した自己最多の67試合登板も視野に入れる。今季の残り試合はあとわずか。「反省」を糧に、研ぎ澄まされる右腕の登板に注目したい。【中日担当=伊東大介】