秋の深まりとともにソフトバンクの宮崎キャンプも、その「成果」と「課題」も浮き彫りになってきたようだ。連日の振り込みで若手の野手陣も来季への収穫をつかみつつある一方で、投手陣は離脱者が増えてきた。右肩痛の板東、椎野が右腹斜筋損傷、高橋礼も腰痛でリタイア。福岡に戻ってリハビリ組となった。さらに18日、160キロ左腕の古谷が左手指の血行障害の疑いで午前中のメニューを消化すると宮崎から福岡に戻ってしまった。

体調不良などもあって古谷にとって約1年9カ月ぶりのキャンプ参加も無念の離脱となった。首脳陣も来季、モイネロに次ぐ中継ぎサウスポーとして期待していただけにショックは大きいはず。メスを入れることになれば来春のキャンプ参加も微妙な状況となる。投手陣の再編成に向けて影響は小さくないはずだ。

ブルペンで選手たちの投球練習を見守るソフトバンク藤本監督
ブルペンで選手たちの投球練習を見守るソフトバンク藤本監督

野手陣に目を向けると正捕手の甲斐に次ぐ「第2の捕手」がどうなるのか気になるところだ。新背番号「24」を背負う栗原は来季は捕手登録から外野手登録に変更。捕手起用せず主軸打者として野手に専念する予定。今季限りで現役引退し、2軍バッテリーコーチとなった高谷の役目を担う2番手捕手は海野、九鬼、渡辺が候補に挙がっているようだが、まだまだ決め手はない。藤本監督は来春のキャンプで実戦練習を1クール前倒しする方針を明かしている。今オフを含めて彼らがどれだけ成長した姿を見せられるか-。大きな課題と言えそうだ。

藤本監督に見守られながら、打撃練習を行うソフトバンク上林
藤本監督に見守られながら、打撃練習を行うソフトバンク上林

それにしても藤本ホークスの船出となる来春のキャンプ。初日からでも紅白戦を行えばいいのではないか、と個人的に思ったのだが「故障防止」の観点から「助走」ありの1クール前倒しに落ち着いたようだ。選手たちにオフの徹底した体作りを求めるには「初日から」の方が効果的だったように思うのだが…。チーム再生には思い切った一手も必要なのではないだろうか。【ソフトバンク担当 佐竹英治】