中日高橋宏斗投手(19)が秋季キャンプからのアピールが実り、2年目で初の1軍キャンプに抜てきされた。

2月1日から始まる沖縄・北谷町での1軍キャンプには、直近10年で最多となる24人の投手が招集された。だが、2軍は隣の読谷村でキャンプを張っており、いつでも入れ替え可能な環境にある。高橋宏も「安心した気持ちはない。あの中で落とし合いになる。勝ち残っていかないと」と表情を緩めることはない。

生き残りへの自信ものぞかせる。先輩福谷の紹介で、昨オフから三重・津市にあるみどりクリニックに同行。肩甲骨や股関節などの可動域を広げるトレーニングに取り組んだ。「映像を見てもフォームの見栄えが良くなった。去年までは肩や肘に負担がかかる投げ方だった。いまは全体を使って投げられています」。超高校級の快速右腕として20年ドラフト1位で中京大中京から入団したが、1年目は1軍登板ゼロ。だが今は、確かな手応えがある。

昨季、最優秀防御率、最多奪三振の投手2冠に輝いた先輩の柳も参考にしている。今季からノーワインドアップをあらため、柳と同じセットポジションでの投球に変える。「柳さんのクイックも(取り)入れたい。打者を崩すのは投球だけじゃない。テンポや間合いもすごく意識されているので」。昨季の本塁打王ヤクルト村上ら強打者を翻弄(ほんろう)した幻惑投法も習得中だ。

昨季は高卒2年目のヤクルト奥川、オリックス宮城らが、シーズンからクライマックスシリーズ、そして日本シリーズでも大活躍した。「自分もそんな期待をかけられていると思う。それくらいの結果を最低限は残したい」。地元出身の将来のエース候補生が、大ブレークに気合十分だ。【中日担当=伊東大介】