1歩1歩着実に段階を踏んでいく。楽天ドラフト1位吉野創士外野手(18=昌平)は、大きな期待を寄せられている。将来の主軸へいかに育てていくか。チームからは焦らずじっくり成長を促している様子を感じる。

昨年12月のメディカルチェックで腰の違和感が判明。入寮後、新人合同自主トレ初日から別メニュー調整となった。同期がキャンプに向けてアピールを続ける中、地道なトレーニング。今ではティー打撃を再開したが、我慢の期間が、経験になった。「プロは1年間やり続けないといけない。ケガをするとその1年が無駄になると思う。ケガをしてはいけないなと肝に銘じてやっていきたい」と引き締める。

何かを変えないといけないと、日課のストレッチの時間を30分から2倍に増やした。トレーナーに自ら質問し、細かいトレーニングも学んだ。「こういう思いはもうしたくない」。練習以外の時間も、体のケアに充てる。高校時代に骨折をした時は、松葉づえをつきながら、グラウンドを1周するほど、じっとしていられないタイプ。だからこそ、もどかしさもあった。「目の前に野球道具が置いてあったら手に取っちゃう。なるべく野球道具から目を離して。自分の体のことを集中してやりました」と笑った。

食事も意識し、体作りを掲げるルーキーイヤー。74キロで入寮したが、80キロ近くまで増量した。キャンプは2軍スタート。じっくりと練習に打ち込み、成長を続けていく。

バットにボールを乗せて鋭い打球を放つ姿は、巨人坂本勇人をほうふつとさせる。高校通算56本塁打を誇り、チーム待望の右の長距離砲候補。これからどんな成長曲線を描いてくれるのか。担当記者としても楽しみだ。【楽天担当=湯本勝大】