佐々木朗希投手(20)の進化に続けるか。ロッテの2軍に、気になる3人がいる。秋山正雲投手(18=二松学舎大付)に田中楓基投手(18=旭川実)、そして永島田輝斗投手(18=立花学園)。いずれも昨秋のドラフト会議で指名された高校生投手だ。

調べてみると、ロッテがドラフトで高校生投手を3人以上指名したのは、08年以来13年ぶりだった。07年も4人の高校生投手が入団し、そのうちの1人が今やベテランの域に入りつつある唐川侑己投手(32)だった。Aクラスに入ったり入れなかったりの10数年間。勝つために、大学野球や社会人野球から即戦力投手を優先して獲得した流れが見て取れる。

15年の平沢、17年の安田、18年の藤原と野手の中核候補を1位指名し、19年にはエース候補の佐々木朗を1位指名。育成プログラムにのっとり、プロ1年目は実戦登板ゼロで肉体強化に励んだ。現在、3月にして160キロ台を連発する礎は、この1年間なくしては構築されなかっただろう。

佐々木朗の流れを追ったのが、明石商(兵庫)から20年ドラフト2位で入団した中森俊介投手(19)だ。同じように公式戦登板はゼロで、肉体強化とフォーム修正に1年をかけた。「まずは2軍で1年間ローテーションで回れるように」と堅実な目標を掲げ、2月の1軍練習試合でもその可能性の一端を示した。

秋山、田中楓、永島田の3人もこの流れで育てられる。1年目の佐々木朗や中森らと同様に、石垣島1次キャンプ最終日の2月12日に、3人ともブルペンで立ち投げを行った。井口監督、吉井投手コーディネーターらも見守る中で、20球ずつ。初々しい18歳トリオは次に指揮官の目の前で投げる時、どんな進化を見せるか。常勝軍団への土台作りは、シーズン中も着々と進んでいく。【金子真仁】