まるで夏だった。9日と10日、横浜スタジアムにDeNAの分散練習を見に行った。昼間の気温は9日が23度、10日はさらに上昇して26度。スタンドは日差しをよける場所がなく、日焼け止めを塗っていない面々は顔と首の境にくっきり線が入った。オンライン取材のためバッグからスマホを取り出すと、手持ちの2台とも「本体高温」の表示で一時動かなくなってしまった。それほど暑かった。

本来なら試合しているはずの広いグラウンドには、選手がわずか7、8人。各自マスクを着けたままだった。ウオーミングアップだけでなく、キャッチボールとノックも。三嶋にカメラを向ければ帽子にマスクにサングラス。もはや誰だか分からないレベルで顔が覆われている。投手も野手も後半は室内練習場に移動していたから、短時間だったとは言え、さすがに息苦しいんじゃないか、のぼせるんじゃないかと心配になる環境で、残されたメンバーは調整に励んでいた。

新型コロナウイルスの集団感染で4試合が中止された事態に、三浦大輔監督は「申し訳ない。ファンにも相手チームにも。何て言ったらいいのか」とわびた。しかし誰が悪いでもない。開幕3連敗から勝率を5割に戻し、これからというところで主力が次々に離脱。オースティンも右肘手術で帰国した。それでも戦わなくてはならない。苦しいのは当事者たちだろう。

1軍は沖縄遠征から本拠へ戻った。まだ、ハマスタで勝っていない。主将の佐野は「開幕から3万人を超える多くのファンの方が球場に来てくれている。やっぱりこのスタジアムで、勝利の喜びを1つでも多く分かち合えるように。ホームグラウンドで勝てるようにと思ってます」と言った。暗雲はずっとは続かない。ホームで連敗を止めて、2軍に合流しつつあるメンバーの復帰を上昇気流で迎えたい。【遊軍 鎌田良美】