阪神大山悠輔内野手(27)の行動がある少年のかけがえのない思い出になった。

5月4日のヤクルト戦終わり、甲子園駅周辺である少年と目が合って会話をした。彼の名前は広岡岳(たける)君(9)。「ゴールデンウイーク こどもまつり」で甲子園でヒーローインタビューなどを務める企画に当選したラッキーボーイだった。岳君には当日球場でスタメンをフルネームで発表する大役が回ってきた。リハーサルでは「めっちゃ緊張した」とドキドキ。その緊張をほぐしてくれたのが大山だった。

リハーサルが終わり、いざ満員の観衆が入って本番待機していた時のこと。グラウンドでキャッチボールを行っていた大山が岳君に駆け寄り、そっと手のひらにボールを乗せてプレゼントした。「すごく大きくてかっこよかった!」。ボールを持ちながら興奮気味に話す姿はとても心に残った。試合には負けてしまったが、5歳からの阪神ファンにとって最高の思い出だった。

翌5日のこどもの日は用事で見に行けなかったが、試合はテレビでバッチリ観戦した。最終回2死満塁で山本が四球を選び、逆転サヨナラ勝ち。岳君は「ヨッシャ~!!」と大喜びし、自分のバットで素振りをしていたという。将来の夢はプロ野球選手。「阪神タイガースの選手みたいにかっこよくなりたい」。プロ野球選手が発信する言葉や行動がこどもたちに、夢と力を与えてくれるものだと改めて知った期間だった。【阪神担当=三宅ひとみ】

阪神対ヤクルト 阪神大山のこどものころのたからものはキックボード(2022年5月3日撮影)
阪神対ヤクルト 阪神大山のこどものころのたからものはキックボード(2022年5月3日撮影)