<ソフトバンク3-0日本ハム>◇25日◇ペイペイドーム

一塁側ベンチで「完封劇」を見守った。後輩バッテリーの活躍を少しばかり頼もしくも思っただろうし、いや、それ以上に悔しさもあったかもしれない。出番のなかったソフトバンク甲斐は20年11月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)から続けてきた連続試合出場が214試合でストップした。

「捕手のポジションで、だいぶ疲れもあると思うので。今日は海野で行きます。当然、ウチのレギュラーは甲斐ですから。甲斐を休ませながらやらんと」。試合前、藤本監督はそう話していた。本格的な夏場を控え、正捕手のコンディショニングを最優先したということか。甲斐に休養を与えることを明言していた。

打撃不振に悩みながらも、24日の試合では6回にしぶとく中前適時打。25打席ぶりとなる安打で気を吐いた。毎シーズン全試合出場を目標とする甲斐にとってこの「休養」は、栄養剤となったかどうかは分からないが、目に焼き付いた後輩バッテリーの活躍が「カンフル剤」になったことは確かと思う。

「正捕手」としての存在は揺るがない。甲斐の捕球&スローイングに目を見張ったのはBIGBOSS新庄監督だった。24日の試合でアルカンタラの二盗を刺した。千賀のフォークをワンバウンドで捕球し、すばやく二塁送球。三塁ベンチの新庄監督は甲斐に向かって拍手していた。さらに驚いたのは甲斐が納得のプレーではなかったこと。BIGBOSSは「(甲斐は)『ダメです』って。ノーバウンドで投げられない自分がダメだと(送球はワンバウンド)。あの気持ちを今のファイターズにたたき込みたいという気持ちはめちゃくちゃあります」と、話した。

さすがの着目だと、感じ入った。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

ソフトバンク甲斐(右)と談笑する日本ハム稲葉GM(撮影・岩下翔太)
ソフトバンク甲斐(右)と談笑する日本ハム稲葉GM(撮影・岩下翔太)