後半戦の中日に助っ人大砲候補生が加入した。ペドロ・レビーラ内野手(23)だ。今季途中にキューバから育成選手として入団。キューバリーグ26発を放った若き本塁打王のパワーを買われた。

内野手ながら起用は左翼。5日のDeNA戦(バンテリンドーム)では神里の左翼への飛球の捕球処理に迷い三塁打にし、手痛い2点目献上の引き金になった。マウンドの先発大野雄も顔をしかめるしかなかった。敗戦後に立浪監督も「レビーラの守備が足を引っ張ってしまい大野雄には申し訳ないことをした。それも承知の上で使っている。可能性も秘めていて、打つ方でも必ず力になってくれると思う。それを信じて使っている」と話した。

来日7年目のビシエドが主砲の座を守るが、サポート助っ人がここ数年固定されていない。A・マルティネスもパワーヒッターながら調子の波や故障などに悩まされている。本来なら2軍で調整してからの1軍昇格だが、得点力不足に悩む打線の起爆剤として起用されている。

大野雄が、正月恒例の20年の大文字山登山で話した言葉を思い出した。「打線にアルモンテがいるのといないのでは大きく変わってくる」。19年に初めて最優秀防御率賞を獲得した左腕にとって、ビシエドとともに主軸を固めるアルモンテの存在がマウンドでの安心感につながったという。18年から20年まで在籍したヒゲの助っ人は、故障に泣かされながら、3年間で31本塁打131打点、通算打率3割1分6厘。左翼での守備の不安をバットで埋めてきた。

レビーラは7日のDeNA戦ではロメロから先制打を放った。まだ出場6試合だが、20打数7安打の打率3割5分、1本塁打3打点。早出特守も続けている。「今日だけじゃなく続けてチームの勝利に貢献したい」。アルモンテのように名門ヤンキースに所属した元メジャーリーガーでもない。ドレッドヘアのカリビアンが2番手助っ人争いへ踏み出した。【中日担当=伊東大介】

中日対DeNA ヒーローインタビューを終えポーズを決める中日高橋宏(左)とレビーラ(右)(2022年8月7日撮影)
中日対DeNA ヒーローインタビューを終えポーズを決める中日高橋宏(左)とレビーラ(右)(2022年8月7日撮影)