7日、西武の秋季キャンプでスプリント講習が行われた。

陸上男子200メートル障害元アジア記録保持者の秋本真吾氏(40)が、野手陣に正しい走り方をレクチャー。速く走るポイントを映像で頭に入れてから、グラウンドで実技を行った。

野球選手の中には、俊足でも故障しやすいタイプがいる。そういう選手のフォームには特徴がある。「体を前傾させて走っちゃうパターンと、地面を強く蹴り上げて走っちゃうパターン。その動きはスピードが出にくくなったり、ケガをしやすくなるんです」。できるだけ足は体の真下につく。蹴りすぎない。無理に力を出さない。「きれいな形」「いい感覚」を体に覚えさせれば、今からでも必ず足は速くなるという。

過去3度の盗塁王に輝いた松井稼頭央新監督も、陸上選手のウオーミングアップ方法を熱心に聞いた。チームに生かせるものはどんどん取り入れたい考え。秋本氏は「いちから本格的な体の動かし方を習得することでケガをしにくくなり、野球にもつながるということを理解されていた。あまりそういう方はいないので、すごいなと思った」とうなずいた。

一朝一夕で俊足は手に入らない。だが野球を上手になったように、意識の積み重ねで走りもうまくなる。チーム盗塁数60が来季どこまで増えるか。1つ先の塁をどれだけ狙えるか。機動力野球への意識改革はもう始まっている。【遊軍 鎌田良美】

西武秋季キャンプに指導に来た陸上男子200メートル障害元アジア記録保持者・秋本真吾氏(左)は松井稼頭央監督と談笑
西武秋季キャンプに指導に来た陸上男子200メートル障害元アジア記録保持者・秋本真吾氏(左)は松井稼頭央監督と談笑