北海道・北広島市にある日本ハムの新球場、エスコンフィールドに初めて足を踏み入れた。3月のWBC決勝が行われた米フロリダ州・マイアミの「ローンデポ・パーク」をほうふつとさせるメジャー仕様の球場。開閉式の屋根付きのドームながら、グラウンドは天然芝が敷かれ、ブルペンも右翼席、左翼席の下に位置する。球場全体の収容人数は約3万5000人で、多くの虎党も観戦に訪れた。

グルメも充実しており、北海道だけでなく全国の名店が多数出店している。居酒屋や球場内で醸造しているクラフトビールを飲めるレストランがあり、左翼スタンド後方には「TOWER11」という名のホテルや温泉、サウナがある施設があるなど、至るところでオリジナリティーにあふれている。セ・リーグの球団を担当しているとなかなか訪れる機会がないだけに、少し早めに球場入りして、つかの間の時間で堪能した。

阪神は9日からの日本ハム3連戦を終えると、次に交流戦で北海道に訪れるのは2年後、もしくは日本シリーズか。今回の1軍同行はかなわなかったが、地元での凱旋(がいせん)登板を心待ちにしているルーキーがいる。ドラフト4位の茨木秀俊投手(19)だ。

阪神で北海道出身の選手は、茨木と同2位の門別の高卒新人2人のみ。茨木は高校は帝京長岡(新潟)で過ごしたが、生まれも育ちも札幌市の道産子だ。エスコンフィールドでの1軍戦の登板について「地元で投げたい気持ちもありますし、1日でも早く1軍で投げたいです」と、2年後を見据えるだけでなく、早期の1軍昇格に燃えていた。

茨木は小学生時代に札幌ドームは何度か訪れたことがあるという。当時は日本ハムファンで、特に好きだった選手は「最初はダルビッシュ投手で、次は大谷投手でしたね」と明かした。「大谷選手はあったと思います」と、リアル二刀流のスーパースターを生観戦した記憶がわずかに残っていた。

身長は182センチで、体重は入団当時から5キロアップの90キロと増量中だ。1年目の目標については「まずは土台作りをしっかりして、ピッチングのレベルを上げていければいいなと思います」と目をギラつかせた。故郷に錦を飾るためにも、虎の穴で鍛錬を積む。【古財稜明】