力強い投球で三振を量産するが、四球も多く球数がかさみがち…そんな“力投型の宿命”を当人たちはどう捉えているのか。西武今井達也投手(25)とヤクルト高橋奎二投手(26)に注目してみました。

いずれも最速150キロ超の直球を武器に、先発ローテーションの中核を担う本格派。長いイニングを少ない球数で投げようと、カットボールなど動く球を磨く工夫などを重ねる一方で、「球数が増えるのは、ある程度仕方ない」という“割り切り”もあるようです。

西武今井は今季9勝4敗、防御率2・36と好調。118回を投げて球数総数1934で、1イニング平均で16・4球を要する計算です(数字は17日現在)。

6回123球(1失点)で敗戦投手となった8月23日オリックス戦(ベルーナドーム)では、「序盤から球数は多くはなりましたが、球数を多く投げられるようにトレーニングしているので、自分的には気にしていません」と広報を通じてコメントしています。

また7回113球(2失点)でキャリアハイとなる9勝目を挙げた14日ソフトバンク戦(ベルーナドーム)では、「チームが勝てるように投げるのが先発だと思っているので。今日みたいに制球で苦しんでも、ある程度ゲームを長いイニング作れるような投球というのは、毎回毎回、心がけてはいるので。シーズン終わるまで、しっかり出来ればと思います」と話していました。

一方のヤクルト高橋は今季4勝8敗、防御率4・52。93回2/3を投げて総球数数は1683。1イニング平均で17・1球を要する計算です(数字は17日現在)。

6回97球(2失点)で4勝目を挙げた7日16日巨人戦(神宮)では、お立ち台で「もう1イニングくらい投げたかったんですけど、球数が多いので、すぐ替えられてしまったんですけど」と自虐トーク。また中日戦先発を翌日に控えた8月18日には、「球数気にしてしまうんですけど、そこを気にしてると、もっともっと時間かかってしまうのが僕だと思うので」と自己分析。その上で「球数を気にしてるとバッターと勝負できなくなるので。しっかり球数をかけてもバッターと勝負していかなくてはいけない。そこは気にせず、バンバン投げていかないといけないと思っています」と話していました。

今季の成績は明暗が分かれる両投手ですが、少ない球数を目標には掲げつつ、現実は球数がかさむのも“想定内”としてマウンドに臨んでいるのが共通点のようです。シーズンも残りわずか。球数にも注目しながら、2人の投球を見ていきたいと思います。【遊軍 鈴木正章】