常勝への布石となるドラフトになったかもしれない。2年連続の日本一を目指す阪神との日本シリーズを2日後に控えた26日。オリックスはドラフト会議で、オリックスは横山聖哉内野手(17=上田西)を1位指名した。

10球団が競合した中、12球団唯一の高校生野手を単独指名に成功。福良淳一GM(63)は「予定通り。狙い通りです」ときっぱり。今年は大卒の即戦力投手が豊富と言われた中で、ぶれなかった。

さらに2位で聖カタリナ学園の最速150キロ右腕、河内康介(18)、3位で享栄の最速152キロ左腕、東松快征(18)と高校生投手を連続指名。4位では報徳学園の堀柊那(しゅうな)捕手(18)と、4人連続で高校生を指名した。結果的に今年は大卒選手が1人もいなかったが「うちの評価が高い選手は、うちのところに来るまでは上の方で全部消えていたので」と説明。それでも高卒4人の逸材に「予定通りです。良かったです。みんな残っていて」と喜んだ。

ドラフト1位の横山について福良GMは「身体能力も高いし、肩もあるし、中心選手になるだろうという考えで」と話したが、将来性を高く評価。チームの競争を活性化する選手と聞かれると「十分なると思います。今いる選手がどう思ったのか、分からないですけど」とにやり。続けて、おびやかす存在になるかと問われ「(台頭は)早いんやないですか? という期待はしています」と力強く話した。

リーグ3連覇に貢献した中心選手にも、近年の高卒選手は多い。20年ドラフト1位の山下舜平大投手(福岡大大濠)は高卒3年目の今年、プロ初登板で開幕投手を務めるなど9勝を挙げる働き。その前年、19年のドラフト1位の宮城大弥投手(興南)、同2位の紅林弘太郎内野手(駿河総合)も言わずもがな主力として活躍した。先輩たちの“成功例”を見れば、ここから数年後がまた楽しみになる。

定評のある育成力を生かす上位指名を行うと、5位からは社会人の即戦力3投手を指名。補強ポイントをしっかりと補った。福良GMが「もう100(点)に近いんじゃないですか」と振り返ったのもうなずける、王者のドラフトとなった。【オリックス担当=磯綾乃】

【関連記事】オリックスニュース一覧

26日、オリックスに1位指名された上田西・横山は新聞委員会の号外を手に笑顔を見せる(撮影・足立雅史)
26日、オリックスに1位指名された上田西・横山は新聞委員会の号外を手に笑顔を見せる(撮影・足立雅史)
26日、オリックスに3位指名された享栄・東松(撮影・永田淳)
26日、オリックスに3位指名された享栄・東松(撮影・永田淳)
26日、オリックスから4位指名を受けて笑顔で記者会見する報徳学園・堀(撮影・白石智彦)
26日、オリックスから4位指名を受けて笑顔で記者会見する報徳学園・堀(撮影・白石智彦)
オリックスから2位指名を受け、聖カタリナ学園の浮田宏行監督(右)と笑顔で握手する河内康介(共同)
オリックスから2位指名を受け、聖カタリナ学園の浮田宏行監督(右)と笑顔で握手する河内康介(共同)