阪神は新戦力の投手陣に注目が集まる中、1軍沖縄・宜野座キャンプでは2年目左腕富田蓮投手(22)の「気配り」が随所に見える。同学年のドラフト2位椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)や現役ドラフトで加入した漆原大晟投手(27)にとって、初めての阪神キャンプ。周囲からの注目も含め、独特の緊張感があることだろう。そんな中で練習の合間合間に見られるのが、椎葉へ積極的にからみに行く富田の姿だった。

「まあ、なんでも聞いてもらいたいですし、自分も聞きたいことがたくさんあるので。そういったところで壁を作っても損しかない。ましてや同級生ですし気は使ってもらいたくないので」

昨オフ、入団直後の新人合同自主トレの際も同じような姿が印象的だった。社会人卒で、当時は21歳。高卒と大卒の同期に挟まれる年齢の中、上下問わずに積極的に声掛け。ルーキー同士の仲を深めていた。

入団前から関わりのあった漆原とも、先乗り自主トレ時からペアを組んでキャッチボールを継続している。漆原も「ありがたいというか。分からないことは聞いています」と感謝していた。投球面だけでなく、その明るさとコミュニケーション能力も、富田の魅力の1つだ。【阪神担当 波部俊之介】